ぽんぽん飛びだせオノマトペ!②
会話の8割がオノマトペ!
オノマトペ大好き心理士が
ぼちぼちお届けする
ぽんぽん飛びだせオノマトペ!第2回目です。
ふわふわっとお付き合いください。
♪ ♪ ♪
オノマトペとは…
「ぼちぼち」「ふわふわ」
「わんわん」「ガシャガシャ」
「どよーん」「ブリッ」
など擬音語・擬声語・擬態語のことです。
物や生き物が発する音・声、
何かの状態や、実際には音のない気持ち
を表す言葉を「オノマトペ」といいます。
♪ ♪ ♪
前回は、オノマトペを用いると
・状態や状況をよりわかりやすく表現できる
・自分の気持ちを表現する幅が広くなる
など例を挙げて紹介しました。
そして、カウンセリング場面においても
オノマトペをポツポツと取り入れるといいですよ〜
とお伝えしました。
そんな中、今回は
オノマトペが不向きな場面もあるよね…ガクガクブルブル
というお話をします。
えっ、せっかくオノマトペを意識して言うようにしたのに、
オノマトペを言っちゃダメな時があるの?! と
ザワザワさせてしまったかもしれません・・・
そうなんです・・・
ダメではないけどオススメしない、
ダメではないけど補足があると良い、という場面があります。
オノマトペを用いるとより分かりやすく表現できる場合が多いのですが、
一方で、オノマトペには“曖昧さ”という性質があり
対話をする双方の“共通認識の難しさ”も生じやすいのです。
例をみていきましょう。
* * *
職場にて・・・
Aさん:Bさん、ちょっといいですか。
この書類、チャチャッとやっといてもらえませんか。
Bさん:了解です。チャチャッとやっときます。
(・・・1時間後・・・)
Aさん:Bさん、さっき頼んだ書類の確認をしますね。
Bさん:すみません、まだできてないですよ。
Aさん:え??まだできてないって・・・?そんな困ります。
チャチャッとやっとくってBさんも了解したじゃないですか。
Bさん:チャチャッとやりますよ。
でも僕は今Cさんから頼まれてる明日の資料作成をしているんです。
それが終わったらAさんの件をチャチャッと片付けます。
Aさん:いや・・・Cさんは明日の件でしょ?
こっちは今日、今!今!!
今すぐ必要だからBさんにチャチャッとで頼んだのに、
どうしてくれるんですか!
Bさん:・・・。
今!今すぐ!チャチャッとぉ!やればいいんですね?!!
* * *
読んでるだけでも何だか胸のざわつく、一場面ですね…
お分かりの通り、
“チャチャッと”というオノマトペを使ったために
AさんとBさんに悪気はないものの認識のズレがあり、
こんな展開になってしまったのです。
そもそもAさんが
「Bさん、今すぐ取り掛かってもらえる?」
「今日の10時に確認したいのでそれまでにお願いします」
「申し訳ないけど、30分以内にできそうですか?」
など明確な時間を示してBさんに伝えれば、
Aさんの予定通りに書類はできたでしょう。
もしくはBさんが、
「この内容ならチャチャッとできそうですけど、
いつまでに必要ですか?」
と尋ねると良かったのかもしれません。
Aさんがどのような基準でチャチャッとを用いているのか分かっていれば
Bさんは別の仕事をしていても優先順位を考えたり
「すみません、今は別件対応中で、12時以降なら時間取れます」
「Dさんなら今すぐでも手が空いてるかもしれませんよ」
と代案を提案できたりしたでしょう。
* * *
この例で何だか胸がざわつくのは、
書類が間に合わない!という仕事上のトラブル発生に対してだけでなく、
AさんとBさんの人間関係、職場全体の雰囲気の
トゲトゲした感じや、どんよりした感じが漂ってくるからです。
たった一言「○時までに」「○分後に」など
双方が共通認識できる基準があれば、何も問題なく事が進んだでしょう。
それなのに、
たった一言「チャチャッと」という
急ぐんだろうな〜
あまり時間をかけずにやれることなんだろうな〜
というニュアンスは含むものの曖昧なオノマトペだけで話を進めたために
仕事の遂行にも人間関係にも暗い影を落とすとしたら、
もったいなくて仕方ありません。
* * *
つまり、
オノマトペが不向きな場面は、
指示・依頼といった確かな共通認識が必要な場面です。
明確な数量で確認を取ったり、
相手が用いているオノマトペの他の例を尋ねたりすると良いでしょう。
例えば
Aさん「Bさん、ふんわりした雰囲気のチラシを作っといてもらえる?」
Bさん「はい。Aさんの思う“ふんわり”してるものって、例えば何ですか?」
Aさん「うーん、そうだねー。
雲、〇〇っていうケーキ屋のチラシ、薄いピンク色、とかかな〜」
Bさん「なるほど。私は猫もふんわりだと思うんですけど、
Aさんとしてはちょっと違いますか?」
Aさん「そうだね、まるまる太ったモコモコの猫ならふわふわだけど、
僕が思ってるふんわりとはちょっと違う感じがする。」
・・・こんなやりとりがあれば、
“ふんわり”という数量では示しようのないことも
ある程度の共通認識を持って話をすることができます。
* * *
オノマトペを楽しく使っていくには、
不向きな場面も知っておくと安心ですね♪
次回は、
いまどきの小学生なら全員知ってる!?
「ふわふわ言葉とチクチク言葉」についてお話しします!
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