性格について
心理学でよくテーマになるのが性格。性格は「十人十色」と言いますが、人間の性格は人それぞれ違っています。その違いによって、人間関係が豊かにもなりますし、難しくもなります。
【性格(パーソナリティ)とは】
その「性格」というのは、どういうものなのでしょうか?大まかに言うと、『その人のものの見方や、それに対してとりがちな行動』と言えます。ものの見方が違えば、行動も違ってきます。例えば、職場などでいつも自分とは異なる意見を主張する人がいたとして、
“こいつはいつも邪魔をしてくる”と捉える人と、“この人は自分とはまったく違う考え方をするようだ”と捉える人とでは、その相手との関わり方が違ってくるでしょう。前者は、相手との関わりにおいて敵対的に関わろうとするかもしれません。それに対して後者は、“どうすれば自分の考えが相手に伝わるのだろう?”と考えて、考え方が異なる相手にも分かりやすいように伝え方を工夫しようとするかもしれません。
【ものの見方(捉え方)】
ものの見方には、その人がどういうことを特に心配しやすいかが影響しています。先ほどの例えにあった“こいつはいつも邪魔をしてくる”と捉える人は、“人は、自分のことを否定しようとするのでは?”ということを心配しやすいのかもしれません。それに対して“この人は自分とはまったく違う考え方をするようだ”と捉える人は、自分が否定されるということはそれほど心配しないけど、“自分の考えが正確に伝わっていないのでは?”ということを心配しやすいのかもしれません。
【どういうことを心配しているか?】
どういうことを心配しやすいかというのも、人によって異なります。どういうことを、どのように心配するかは、生まれ持ってのものもあるかもしれませんが、生まれた後の経験も影響します。例えば、幼い頃から自分のやりたいようにしようとするたびにそのことを否定され、思ったようにできないという経験を多く重ねてきた人は、自分が何かしたいと思ったときに、人から否定されることを強く警戒するため“相手は自分のことを否定しようとするのでは?”と心配するかもしれません。自分が主張したことが否定されず、自分の思いが正確に伝わることでやりたいことができるという経験を重ねてきた人は、否定されることを恐れず、自分の思いをいかに伝えるかを考えるかもしれません。
【行動のパターン】
心配なことがあるときには、心配なことをなくそうとして行動するものです。その行動により心配が和らいだという経験があると、次に同じような心配が生じた場面でも同じ行動をとろうとするでしょう。それが繰り返されることで、その人のものの見方と対処行動のパターンができていきます。
一度形成された対処行動のパターンは、自分自身の状態や環境が変化しても同じように繰り返そうとします。そうしないと心配が強くなってしまうと感じるからです。ですが、その対処行動が今の状態・状況でも有効に作用するとは限りません。その時の自分や環境には効果的でない対処行動を繰り返すことにより、“また同じ失敗をしてしまった…”“いつも自分はこんな目に遭う”と感じるような結果につながりやすくなります。
しかし、自分では“こうすることがよい結果につながる”と(無意識に)思っているので、それ以外の行動をとるという発想自体が浮かばないこともあります。
【パターンの変容】
行動を変えるためには、その元にあるものの見方を見直すことことが必要で、ものの見方を見直すためには、その背景にある“どういうことを心配しているか”を理解することが有効です。
ものの見方や心配することは、自分にとってはそれが当たり前のものとなっているので、ものの見方や心配していることを見直す作業は自分一人ではなかなか難しいものです。自分以外の誰かと話しながら考えることで、見直しやすくなります。
そのための方法として自分の性格を知る心理検査やカウンセリングがあります。心理検査で自分を知り、カウンセリングを通して、“また同じ失敗をしてしまった…”“いつも自分はこんな目に遭う”というパターンを変え、自分が望むような結果を得やすくするお手伝いができればと思っております。
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