先生、おしえて!摂食障害②
摂食障害の相談を専門とする
中村このゆ先生(当カウンセリングルーム所属)に
「摂食障害とカウンセリング」をテーマにお話を聞きました。
丁寧にお話いただいた内容をシリーズでお届けします。
①はこちら→先生、おしえて!摂食障害①
中村このゆ プロフィール
臨床心理士・公認心理師・追手門学院大学名誉教授
心理臨床を始めた1970年代から主に摂食障害の臨床/研究に関わり、論文/著書も多数。
おすすめの本は「まっ、いっか!摂食障害-当事者のまなざしから-」(晃洋書房)など。
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Q:摂食障害に悩んでいる時、カウンセリングは有効でしょうか?
中村先生:
はい、有効です。
「摂食障害かもしれない」「自分は摂食障害だと思う」などお悩みであれば、カウンセリングを利用してみてください。
話せるところがあるんだよ、苦しんでいるなら来てみるといいよ、と伝えたいですね。
ただし、1回のカウンセリングで劇的な変化が起きるものではありません。
残念ながら、摂食障害のあるクライアントさんは一度相談に来られても数回でやめてしまうケースが少なくありません。
「カウンセリングを受けても全然変わらない」
「治ると思っていたのに、治らない」など理由を教えていただけることもあれば、
ある時からぷつんと音信不通になってしまうことも、珍しくありません。
摂食障害は、焦らずゆっくり、
時間をかけて、回復を目指していくものです。
「治る」「治す」という捉え方はちょっと違うんですよね。
「よい状態を維持できることを目指すカウンセリング」という感じです。
お医者さんに行って、お医者さんから
「一日一錠このお薬のんで、よい状態を維持してね」と処方される感覚で、
カウンセリングも定期的にあるとちょうど良いサポートになります。
摂食障害にお悩みならカウンセリングを、と繰り返し言いたいですが、
実際は、「大丈夫、大丈夫」と周囲に助けを求めない方もいます。
相談なんかに行ったら無理にでも食べさせられるかもしれない、
という恐怖感もあるのかもしれません。
痩せた体型を維持したいし、別に自分は困っていないし、相談する必要も感じていないのかもしれません。
それでも周り、特に家族としては、心配でたまりませんよね。
家族が医療機関やカウンセリングを利用することが
本人のサポートにつながる可能性があります。
本人をむりやり病院に連れていく前に、
家族がカウンセリングに来てみる、これも方法の一つです。
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中村先生の優しくユーモアのある語りをもっとお読みになりたい方は、
こちらもおすすめです。
地域支援心理研究センター2014年度公開講座(第3回)2015.2.14
摂食障害-当事者の視点から-
講師:追手門学院大学心理学部 中村このゆ より
https://www.otemon.ac.jp/var/rev0/0000/5458/11789162341.pdf
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大阪駅・梅田駅徒歩10分、地下鉄中津駅すぐ
大阪中津臨床心理カウンセリング
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