パニック障害
突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作(パニック発作)を起こし、その為に生活に支障が出ている状態をパニック障害と言います(厚生労働省より)。かつては不安神経症と言われましたが、現在は不安を主症状とする不安障害の一つに分類されており、男性より女性に多いとされています。
最初のパニック発作は、特に身体の病気が無いのに、何の前触れもなく突然起こります。その為、文字通りパニック状態になって救急車を呼ぶことがしばしばあります。「自分はこのまま死んでしまうのではないか」「頭がおかしくなってしまうのではないか」などという激しい恐怖感や不安感に襲われます。ただし、発作自体で死ぬことはありません。通常は30分(長くても1時間)程度で治まります。従って、発作が起こったら、出来るだけ気を静め、ゆっくり呼吸し、静かに休んで症状が治まるのを待ちます。また、家族や周囲の人は、いたずらに不安感をあおらないことが重要です。むやみに励ましたりばかにしたりせず、不安を和らげるよう配慮し、本人を静かに休める場所に移動させてあげると良いでしょう。
また、頻度に個人差はあるものの、パニック発作には反復性があります。「またあの苦しみが襲ってくるのではないか」「人前で発作が起きたらどうしよう」という予期不安に苦しめられます。自分で症状をコントロールできないという強い恐怖や不安から、日常生活に支障をきたす例も少なくありません。例えば、かつて発作を起こしたことがある場所に強い不安感を抱く場合や発作が起こった時に逃げられない場所にいた場合には、広場恐怖を伴うことも多く、乗り物に乗ったり一人で外出したりすることが出来なくなることすらあります。その結果、行動範囲や生活環境が狭められ、うつ状態に陥ることも少なくありません。
【支援方法】
主な方法として、「薬物療法」、「心理療法(カウンセリング)」の二つが挙げられます。併用により高い治療効果が認められている為、どちらか一方ではなく、両者を併用することが重要です。
【社会資源】
医療機関、カウンセリング機関が挙げられます。
【カウンセリングの効果】
主に、再発の予防という観点が中心となります。認知行動療法という心理療法が特に有効とされています。誤った学習により間違えて身に付けてしまった思考パターンや行動パターンを修正し、不安を和らげていきます。再発を防ぐことが特に期待されます。