うつ病について
【概要】
・症状
憂うつな気分や意欲の低下といった心理的症状が続くだけでなく、さまざまな身体的な自覚症状を伴うことも珍しくありません。
・うつ病の原因
うつ病の原因はひとつではなく、非常につらい出来事が発症のきっかけになることが多く、また、生活の中で起こるさまざまな要因が複雑に結びついて起こるものです。
・うつ病の前兆の状態
①楽しみや喜びを感じない
それまで楽しかったようなことでも、楽しみや喜びを感じなくなります。何をしていても憂うつな気分を感じてしまいます。
②何か良いことが起きても気分が晴れない
きっかけとなった出来事や要因が解決したり、自分にとって良いことが起こっても、気分が晴れない状態が続きます。
③趣味や好きなことが楽しめない
大好きな趣味の活動をしても楽しめないどころか、疲労感ばかりが増してしまいます。
【支援方法】
うつ病の治療には「休養」、「薬物療法」、「精神療法・カウンセリング」の3つの柱があります。
うつ病は脳のエネルギー欠乏によるものと言えるので、脳をしっかり休ませることが治療の基本といえます。また、脳内の神経細胞の情報伝達にトラブルが生じている状態であるため、脳の機能的不調を改善し、症状を軽減するために薬物療法が行われます。
うつ病を引き起こす要因はひとつではないため、休養と薬物療法のみでは改善は難しく、抗うつ薬で環境要因や性格傾向は変わりませんので、後述するカウンセリングも組み合わせて治療が行われます。
なお、うつ病の治療にはある程度の期間が必要になります。 良くなったり、悪くなったりという小さな波をもちながら改善していきます。うつ病の8割ほどはほとんど以前の元気が回復している状態=「寛解」状態を迎えることができるとされています。
うつ病のサインとしては、睡眠・食欲・疲労感の変化、頭や肩・首が重い、下痢や便秘が続く(身体面)、気分の落ち込み、不安感、イライラ(こころの面)、遅刻や休むことが増える、人との関わりを避ける(行動面)などがあります。これらの「サイン」が10日から2週間以上続く場合は、要注意です。いちばん身近な方がまず声をかけてみてください。「大丈夫」、「そのうち良くなるよ」などという答えが返ってきても、症状やサインが続いている場合は、要注意です。ご本人が一人で抱えこんでしまうことのないよう、「心配だから、一緒に考えよう」という姿勢で、話しかけてみてください。気になる場合には、メンタルクリニックなどの専門機関に一緒に受診をするなど、専門家に相談をしてみるとよいでしょう。
【カウンセリングの効果】
カウンセリングは主に再発予防という観点が中心となります。同じような状況の中で、うつ病が再燃・再発しないように、ご自身の思考パターン・行動パターンを見直すということになります。最近では、認知行動療法を主とした心理療法が行われることが多いですが、クライエントの方のご相談内容に合わせて行うこともあります。
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